中小企業経営革新支援法に基づく経営革新計画の承認申請
★ 中小企業経営革新支援制度の目的
全業種での経営革新を幅広く支援する制度で他の事業認定よりも間口の広いことが特徴です。
今日的な経営課題にチャレンジする中小企業の経営革新を全業種にわたって幅広く支援する制度です。また、経営資源・得意分野に限りのある中小企業の経営革新には、他者との柔軟な連携関係を最大限活用することが不可欠であるため、中小企業単独のみならず、異業種交流グループ、組合など多様な形態による取組みを支援するものです。
★ 実際の申請手続きは?
東京都では、原則として計画承認のための審査は、書面審査となりますが、申請時に東京都の担当者に簡単なプレゼンテーションを行う必要があります。毎月15日が、一応の締め切りとなっており、15日までに受け付けた申請が翌月の審査会に付され、さらにその翌月に結果が通知されます。したがって、承認されるまでの期間は、おおむね1ヶ月半から2ヶ月程度となっております。
担当係官や専門家の面接審査および審査のための現地調査を受けることはありません。
また、フォローアップ調査(計画進捗状況調査)も、国、東京都の予算、人員の都合上、現実的にはあまり頻繁には行われておりません。
★ 審査上のポイント
この制度は創造法の事業認定等と比較して間口が広い分、計画の審査は、高度に専門的には行われません。専門家ではない審査官に伝わりやすいよう、できるだけ具体的で理解しやすい事業計画を立てることが重要です。
もっとも、財務計画等に関しては細かいところまでしっかりと計画を行わなければ承認を得ることはできませんので注意が必要です。
当事務所では、豊富な経験に基づき、お客様の事業内容をいかにして審査に通りやすくするかに最大の力を注ぎます。また、申請前には担当係官との交渉を行い、スムーズな申請ができるように準備を致します。申請時にはご同伴し、担当係官へのプレゼンテーションをサポートいたします。必要であれば、添付資料として申請書以外にも別途事業計画書等の書類をお作りすることもございます。
★経営革新計画の内容
事業者にとって新たな事業活動であって、以下の各類型の事業を含むものが経営革新計画となります。
@新商品の開発又は生産
A新役務の開発又は提供
B商品の新たな生産又は販売の方式の導入
C役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動
このような「新たな取組み」については、多様なものが存在しますが、「新たな取組み」とは、個々の中小企業者にとって「新たなもの」であれば、既に他社において採用されている技術・方式を活用する場合についても経営革新計画としてふさわしいものとなります。
ただし、業種毎に同業の中小企業(地域性の高いものについては同一地域における同業他社)における当該技術の導入状況を判断し、それぞれについて既に相当程度普及している技術・方式等の導入については承認対象外となります。
★実際に承認を受けた企業の参考事例
新商品の開発又は生産
A社は、大学向けの試験機器の受注生産を行っていたが、プラズマを利用したハードディスクの磁気読み取り装置にダイヤモンドの超薄膜を形成する装置を新たに開発。30Åで±5%の精度を達成。この技術により最近のハードディスクが読取不能となりにくくなった。A社はこの技術を用いた製品を世界各国のハードディスクの磁気読み取り装置メーカーに出荷できるようになり、収 益を増加させることができた。
新役務の開発又は提供
有線通信機械器具メーカーのT社は、従来の半分程度の料金でFAX通 信サービスを可能にするシステムを完成し、新たなサービスの事業化を図っている。この新システムは、独自に開発したアクセスポイント装置を使用するプロバイダーをつないで、インターネット上にFAXネットワークを形成し、ユーザーの手持のFAXにも同社の開発した安価なアダプターを取り付けるもの。専用アクセスポイントのあるサービス地域内の受信者に対して普通 のFAX通信と同等の信頼性を保ちつつ、スピーディーかつ安価なFAX通 信を可能とするサービスであり、売上の大幅な増加が見込まれている。
商品の新たな生産又は販売の方式の導入
呉服小売業のB社は、映像データを取り込んだ顧客情報のデータベースを販売活動に活用して成長を続けている。顧客情報は、催事案内やDM発送、イベント企画などでの利用が一般 的であるが、同社の顧客情報には、買上商品を撮影した映像データも保存されており、顧客が次に来店した際に、過去に買上げた商品の映像を見せながら購入商品の品選びのアドバイスや提案を行っている。こうした高度な顧客サービスを提供することが支持を得て馴染み客の囲い込みに成功し、安定して売上を伸ばしている。
役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動
紙卸売業者6社は、大手商社の参画を得て共同仕入・保管・配送のための新会社を設立し、コンピュータネットワークを活用した物流システムを構築して仕入コスト、物流コストの削減に効果 をあげている。小口多頻度配送が増える中で、物流コストの増大に苦しんでいた各社が、単独での問題解決は困難と考え、共同で物流会社を設立することにより物流コストの削減に取り組んだもの。共同仕入、共同配送により各社では仕入・物流コストの削減が可能となり、また、共同保管することで各社の利用できる在庫の品揃えが増え、顧客からの注文にも幅広く対応できることによって売上、収益を増加させている。
★経営革新計画の数値目標について
経営革新計画の経営目標として、経営の向上の程度を示す指標について、3年以下の計画の場合は9%以上、4年計画の場合は12%以上、5年間の計画の場合15%以上の目標伸び率であることが必要です。
なお、指標とは、1企業全体の付加価値額又は企業全体の従業員一人当たりの付加価値額のことを指します。
また、付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費となります。
★承認を受けるメリット
経営革新計画の承認を受けた事業者に対しては、以下の支援策が用意されています。なお、各支援策は、計画とは別
に個別審査を受ける必要があります。
@ 中小企業経営革新事業費補助金
A 低利融資制度
承認された計画に従って行う事業に必要な設備資金、長期運転資金等に関して低利融資を行います。
□技術・事業革新等支援資金融資(東京都制度融資)
□無利子の設備資金貸付(東京都中小企業振興公社)
□先端産業育成特別融資(中小企業金融公庫)
□中小企業経営革新等支援貸付制度(中小企業金融公庫、国民生活金融公庫、商工組合中央金庫)
B 税制措置
承認された計画に従って事業を行う場合、下記の特例措置を講じ、事業開始の設備投資等に要する負担を軽減します。
□設備投資減税
取得または製作の場合 −計画に供する機械および装置につき特別償却又は税額控除が認められます。
特別償却率 :取得価額の30%
税額控除率 :取得価額の7%
リースの場合 −計画に供する機械および装置につき税額控除が認められます。
税額控除率 :リース費用総額の60%の7%
□欠損金繰戻還付
一定要件を満たした中小企業者がある事業年度において欠損金が生じた場合、1年前までに遡って法人税
の納付がある場合、その一 部につき繰戻還付を請求できます。
C 試験研究関連税制
□試験研究費賦課金の任意償却
□増加試験研究費の税額控除
□試験研究用固定資産の圧縮記帳
□特別土地保有税非課税
D 高度化融資制度
計画の承認を受けた組合が、高度化融資を受けて工場の集団化や施設の共同化等を行う場合や、計画の承認を受けたグループが共同で経営革新を行う場合に長期無利子高度化融資等の優遇措置を講じます。(なお、高度化融資については、順調に計画が実行されているものについて、認めることとなります。)
E 信用保証の特例
承認された計画に従って行う事業に必要な資金について特例措置が講じられます。
運転資金等の事業資金に関し、通常の付保限度額と同額の別枠が設定されます。
承認された計画に従って行う事業に必要な資金のうち、新事業開拓保険の対象となるものについて付保限度額を引き上げられます。
F 中小企業投資育成株式会社の特例
承認を受けた計画に従って事業を行う中小企業者については、将来増資により資本金が3億円を超えた場合でも同社の出資を受けることができます(原則3億円以下)。なお、設立後7年以内の企業の増資については、創業期投資支援室・投資事業有限責任組合Tel5469-5858)が相談を受け付けております。
このホームページに関するお問い合わせは、sougo@ji-legal.comまでお寄せ下さい。
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