中小企業者向け公的経営支援策の必要性について
1 新規開業者と経営知識
優れたアイデアや技術をもっているにもかかわらず、市場から消えてしまう新規開業者は少なくなくありません。こうした企業の多くは、社会的信用度が低いために資金繰りに窮し、研究開発費の投入や設備投資ができないといった事態を招いてしまったり、また逆に過大な設備投資や市場のニーズを軽視した商品開発を行ってしまうといった経営の未熟さから失敗していると言えます。
しかし、これら企業の中には企業経営に関する基礎的な知識があれば失敗を未然に防げたケースも多いでしょう。
一般に、この点をカバーするために、経営知識を有する従業員を雇うこと、経営知識が不足する分野を外部に委託すること等が考えられますが、人材確保や外部委託を行った場合は多額のコストがかかるのが通常であり、資金調達力に乏しい新規開業者には困難と言えます。そこで、次善の策として既存の経営者のもつノウハウを利用することが行われています。
特に、国民生活金融公庫総合研究所の調査結果からは、「経営全般や事業計画の策定に関する助言」や財務・法務に関する専門知識の提供や技術面の支援を既存の経営者から受けるケースが非常に多いことが分かっています。
ただし、全ての企業が、他の企業や経営者からの支援を期待できるわけではないといえます。こうした支援は、通常個人的な付き合いがあって初めて行われるものだからです。
支援する側にしてみれば自分のところで働いていた従業員か、ごく親しい間柄の人物でなければ開業を手助けする理由もないでしょう。
したがって、経営支援を行う公的機関や民間組織を活用して経営知識を習得することが、多くの新規開業者にとって効率的かつ現実的な選択肢といえます。
もっとも、開業間もない経営者は本業に時間を取られ、各支援機関が実施する講習会、説明会の類に出席することは難しく、仮にひとつの説明会等に出席しても、主催者側は、限られた制度を短時間で一般論的に説明するに終始し、具体的な使える知識として定着させる機会としては甚だ疑問といわざるを得ません。
その結果、開業当初の経営者は独力で膨大な情報(それ自体は抽象的な情報であって実践的にはほとんど役に立たない書籍類やインターネット上の情報等)のなかから自社の経営に役立てられそうな情報を取捨選択することに多大な時間を費やしてしまうケースが非常に多いのです。
しかし、これもまた、あまり体系化されているとは言えない制度の中から、自社にとって利用できる制度とできない制度の見分けをつけることは非常に難しく、かといって制度実施機関の担当者に問い合わせてもなかなか情報を教えてもらえないため、結局、支援策の利用をあきらめてしまうケースが非常に多いのが現状です。
開業間もない経営者にとって、公的経営支援策は、必要書類の準備や申請書等の書類作成で嫌気がさして諦めてしまうどころか、情報収集・支援策の利用そのものを決定する判断の段階で諦めてしまうことが多いわけです。
そのような中、最近では、SOHO事業者などを対象に独自の支援を行う民間非営利組織が各地に誕生しており、さらに新規開業企業向けの経営指導やコンサルティングをビジネスとして手がける民間企業も増えてきております。
2 経営支援策を実施する機関の利用状況
経営支援を行う外部組織は、新規開業のハードルを引き下げる社会的なインフラと言えますが、アンケートによれば、外部組織を利用した新規開業企業の割合は、28.1%にとどまっており、現状では外部組織の利用はあまり活発とはいえない状況にあります。
この外部組織の利用が低調な原因は大きく分けて以下の4つが指摘されています。
@ 周知活動がうまくいっていない
外部組織を利用しなかった企業のうち、そもそも外部組織が経営支援策を行っていることを「知らなかった」企業は61.8%に達しています。また、外部組織を利用した企業についても、「知人に聞いて」外部組織の存在を知ったと回答しているところが多く、個人的な人脈が主な周知経路となっていることが分かります。
A 使い勝手が良くない
公的機関を利用した企業に、もっとも多いのが、利用できる時間帯や曜日が限られていることに対する不満です。例えば、自治体の企業家セミナーの実施などの例を見ても、平日のそれも日中に開催されている場合が圧倒的に多く、少人数でやりくりしている企業であれば業務を中断してそのような席に参加することは現実的に難しいと感じている人が多いのです。
また、利用手続が煩わしいということも、支援機関の利用を敬遠する要因となっています。
特に、多くの書類を求められ、一通りそろえるために多くの時間と手間を費やしてしまう結果、書類作りを支援する制度があれば、と思っている経営者も少なくありません。
さらに、相談窓口の分散が支援機関をさらに利用しにくいものにしていることも指摘されています。複数の機関や組織が似たような支援策を行っているケースなどが非常に多いのです。
また、機関相互の連絡調整もうまく行っておらず、ひどい場合には制度の支援主体のひとつの機関であるにも関わらず担当者の知識不足で、経営者からの申し込みを「そのような制度はない」として断ってしまっているような例もあります。
結局、各種の経営支援策は中小企業の保護やベンチャー企業の育成、雇用の創出など、それぞれ異なる目的で作られた施策をつぎはぎしたものが多く、必ずしもうまく体系化されているとはいえない状況にあり、それが支援策の重複や手続の複雑化を招き、せっかくの有用なはずの支援策が機能不全に陥ってしまっているのです。
B 支援の内容に不満
アンケートによると、企業家セミナー等を受講した経営者は、より実践的で実務的なことを学びたくて講座に参加していることが多いにも関わらず、講座の大半は「経営者の心構え」や「ビジネスマインドの養成」といった啓蒙的な内容のものが多いようです。また、支援の内容が成長志向のつよい企業向けに偏っているという意見もあります。
こうした不満が生じる背景には、支援する側が対象を絞りきれていないという問題があると思われます。
C 利用コストが高い
主に、民間の営利組織に向けられている不満です。一般に民間営利組織は、個々の企業の求めに応じて柔軟な支援を行っており、使い勝手も優れているといえますが、それを利用するためにはある程度の出費を覚悟せざるを得なくなります。
しかし、資金に余裕のない新規開業者は、簡単に利用することができないため、利用者が少なくなる可能性があります。そうすると民間組織では運営コストを回収するために料金を高めに設定する必要があるため、料金が高くなれば、利用者はますます減っていくという悪循環に陥ります。
3 当事務所のスタンス
当事務所は、公的機関(国、自治体、公益法人等)が行う中小企業向け各種経営支援策を事業主の皆様が円滑に利用できるよう橋渡しをすること、およびその支援策利用のための申請代行をさせて頂くことを前提に、支援策の取捨選択から具体的な計画立案、書類作成までトータルなサービスを安価にてご提供しております。当事務所は、技術関連の助成金や法律に基づく事業認定等、多くの企業様の案件を成功させてきた実績がございます。
このホームページに関するお問い合わせは、sougo@ji-legal.comまでお寄せ下さい。
![]()
J&I(ジェイアンドアイ)総合法務事務所
(東京都行政書士会会員 法務大臣承認入国在留審査関係申請取次者)
〒160-0023 東京都新宿区西新宿4-17-3ベルパークシティ西新宿5F
TEL 03-5358-8736 FAX 03-5358-8739